『牛乳には危険がいっぱい?』
Don't Drink Your Milk !
New Frightening Medical Facts about the World's Most Overrated Nutrient
by Frank A. Oski, M.D.

弓場隆訳 東洋経済新報社刊 \1,200


牛乳アレルギーの発症頻度
キーワード:乳児に生の牛乳を飲ませると牛乳アレルギーを起こし乳児の人生を不幸にする可能性が高い
生後3か月以内に牛乳を与えられた赤ん坊はその25%が牛乳アレルギーに罹る
コルチゾンが効きにくいネフローゼの子供は牛乳アレルギーが原因かもしれない

タバコの例に倣って牛乳瓶に警告表示をする必要がある
”この牛乳は乳児に飲ませてはいけません”

牛乳アレルギーの問題をもっとも綿密に分析した最近の例(カナダのサスカチェワン州J・W・ジェラード医師とその同僚による研究)
牛乳アレルギーの発症頻度を確定するために、787人の赤ん坊を出生時から調査。その際、どの粉ミルクを選ぶかという指示はなし。また、新しい食品を赤ん坊にはじめて食べさせた時期についても記録。
次の中から一つまたは複数の症状をもつ赤ん坊は、牛乳アレルギーの可能性があるとして、さらに研究。
 @持続性か再発性の鼻づまり、ぜんそくの発作、胸部の感染症
 A持続性か再発性の発疹
 Bほかに原因が考えられない持続性か再発性の嘔吐と下痢
赤ん坊が牛乳アレルギーを疑われると、牛乳からつくった粉ミルク(人エミルク)をやめて豆乳(大豆ミルク)に切り替え。症状が消えれば牛乳を再開し、それでもし症状が再発すれば牛乳・乳製品をすべて除去。そしてまた症状が消えると、再び牛乳・乳製品に「挑戦」させるといった具合に調査がおこなわれた。その際、二度目も症状が現れた場合にかぎって牛乳アレルギーと確定診断。

その結果、787人の赤ん坊のうち、59人が牛乳アレルギーであることが分かった。発症頻度は7.5%。
牛乳アレルギーと確定診断された赤ん坊にもっともひんぱんにみられた症状は、
下痢、湿疹、反復性の嘔吐、再発性の鼻づまり、再発性の気管支炎
育児日記をくわしく調べると、赤ん坊の4人に一人が
牛乳を与えられて3日以内に牛乳アレルギーの初期兆侯を示し、全体のほぼ半数が一週間以内に牛乳アレルギーの兆侯を示していることがわかりました。
子どもは牛乳を飲む時期が早ければ早いほど、アレルギーを起こしやすくなる
一歳未満の赤ん坊の牛乳アレルギー発症頻度は前述のとおり7.5%だが、生後3か月以内に牛乳を与えられた赤ん坊のじつに4人に一人が、なんらかのアレルギーの兆候を示す。
牛乳アレルギー児はそうでない子どもよりも医者にかかる回数がはるかに多く、入院加療を要する場合も多いのが実状。
ジェラード医師らはまた、赤ん坊の親や兄、姉がほかのアレルギー疾患をもっている場合、その赤ん坊自身も牛乳アレルギーを発症する確率がはるかに高いことを指摘。親が花粉症やぜんそくをわずらっている場合、その傾向はとくに顕著。
以上の研究から、牛乳をヒトの乳児に飲ませると病気を引き起こしやすく、牛乳を飲む時期が早ければ早いほどアレルギーの兆候を示しやすいことが分かる。こういった研究に加えて、牛乳がヒトの乳児の胃腸の出血を引き起こすおそれがあるという事実を考え合わせると、「牛乳はあくまでも子牛のための食料である」という伝統的な生活の知恵がますます真実味を帯びる。

牛乳によって引き起こされるさらに深刻な合併症が、コロラド大学医学部とマイアミ大学医学部の研究グループによって報告されている。同グループは共同調査をおこない、ネフローゼというやっかいな慢性病をわずらう10歳から13歳までの多くの子どもの症例を突きとめた。ネフローゼとは、腎不全のために大量のたんぱく質が尿中に出ていく病気。血中からたえずたんぱく質が出ていくと低たんぱく血症を起こし、やがて水腫を起こす。手足が腫れ、腹水がたまることもある。また、慢性腎炎におかされて死亡する子どももいる。
ネフローゼをわずらっている子どもには、さまざまな薬剤による治療効果が期待できる。とくに有効な薬は、副腎皮質から抽出されたコルチゾンの一種。しかし、先の両大学医学部の医師たちによる研究では、コルチゾンが効いていないようだった。医師たちは、子どもたちがさまざまな食物アレルギーだったと推測した。
医師たちが感動したのは、
子どもの食事から牛乳を除去したところ、たんぱく尿がすぐに治まり、かなりの改善がみられたこと。しかし、牛乳が食事に加えられると、一日ないし3日以内に高度のたんぱく尿をきたした。調査にあたった医師たちは、牛乳やその他の食品に対するアレルギーが一部の子どものネフローゼの再発に大きく関与しているのではないかと推測している。